Showcase

Livox ショーケース - DJI M600に搭載したLivox Mid-40による、UAV 3Dマッピング

2019/4/24

3DマッピングでのLivox LiDARの優れた可能性を示すデモンストレーションとして、Livox LiDARをドローンに統合してマッピング作業を実施する方法をご紹介します。マッピング試験として、中国広東省恵州市にある恵州ベイブリッジ(全長3km)のマッピングを実施しました。

Livoxは、自動車/ロボット工学/測量などの様々な業界に、低コストで高性能のLiDARセンサーを提供することに尽力しています。すでに発売中のMID-40(価格599ドル)は高性能3D LiDARで、Livoxは、これらを利用いただき、極めて費用対効果の高いLiDAR技術を、ロボット ナビゲーションやマッピングの分野に広めることを目的としています。MID-40主なスペックは、https://www.livoxtech.com/mid-40-and-mid-100/specsでご確認いただけます。以下の表1で、基本スペックをご確認ください。

 

1. MID-40の基本スペック

 

 

 

 

レーザー波長

905 nm

レーザーの安全性

クラス 1 (IEC60825-1)

検知範囲(@ 100 klx の背景)

90 m @反射率10%

130 m @反射率20%

260 m @反射率80%

距離精度 (1σ @ 20 m)

2 cm

角度精度

< 0.1°

FOV

38.4° 円形

データ率

100k /

標準出力

10 W

重量

710 g

サイズ

88×69×76 mm


 

3DマッピングでのLivox LiDARの優れた可能性を示すデモンストレーションとして、Livox LiDARをドローンに統合してマッピング作業を実施する方法をご紹介します。マッピング試験として、中国広東省恵州市にある恵州ベイブリッジ(全長3km)のマッピングを実施しました。マッピング結果を以下に記します。

 

1.恵州ベイブリッジをマッピングした点群は、実際の写真のようにきれいに重なっています。

(a)

 

 

(b)

 

 

Livox MID-40ユニット1台を、高品質の姿勢測定が可能なInertial Sense社(https://inertialsense.com/products/gnss-ins-rtk-sensors/) のGNSS-INSセンサーと統合することから開始します。cmレベルの測位サービスを提供するため、RTKユニットとINSセンサーを併用します。また、相対的な動きを避けるために、Livox MID-40とINSセンサーはしっかりと接続されています。Raspberry Pi の内臓マイコンを使用して、MID-40データとINS測定値をリアルタイムで処理します。Livox LiDARは、外付けのINS/RTKに対応し、ハードウェアレベルの時間同期とフトウェアレベルのセンサーデータ融合を実現しています。Livox LiDARを、INS/RTKおよびデータ処理と統合するための詳細な手順は、https://github.com/Livox-SDK/LivoxIntegration でご確認いただけます。

 

 

2.このセットアップで使用された主な構成部品

 

 

3M600ドローンに搭載されたMID-40

 

 

ドローン飛行中のLiDARの動き(回転と並進移動の両方)を補正するため、INSとGNSSが必要です。ドローン自体もフライトコントローラー内にIMUを搭載していますが、通常、いくつかのダンパーによってドローンの機体、つまり、LiDARセンサーから絶縁されており、プロペラの回転や様々なドローンモードによる振動を吸収します。IMUの防振絶縁は有益で、ドローン制御には必要な場合もあります。ですが、センサー融合やマッピングなどのアプリケーションでは、振動を含む可能性のあるLiDARの全ての動きを測定する必要があります。

 

今回使用したドローンは、DJI M600ですが、MID-40のサイズと重量では、M200、M210(RTK)、そして、最新モデルM200 V2.0のような、より小型なドローンでも取り扱えます。機械的統合により、Livox MID-40は様々な取り付けの選択が可能となり (Livox MID-40 クイックスタートガイドを参照)、Livox MID-40は単純な機械的部品を用いてDJI M600に簡単に取り付けられます。電子ハードウェア統合のため、DC-DC電圧レギュレータを使用して、ドローンのバッテリー電圧(22V)をMID-40入力電圧(10V~16V)とRaspberry Pi入力電圧(5V)に電圧を降圧させます。

 

マッピング作業中、ここで使用されているINSセンサーによって制限されているので、ドローンと橋の間の距離は約50mとなっています。この距離以上になると、INSセンサーが原因の姿勢測定誤差が増幅されるため、長くなるほどポイント精度が低下する可能性が高くなります。ハイグレードのINS(APX-20やNovAtelのSPANなど)を使用すると、距離が長くなり、データ収集はより効率的になります。今回の恵州ベイブリッジの場合では、データ収集プロセスは1台のMID-40で半日かかり、後処理は30分未満で行えます。

 

RTK測定を含むすべてのLiDARデータとINS測定は、Raspberry PiのmicroSDカードに保存されます。保存されたデータを使用すると、後処理はINSセンサーで測定された回転と並進移動を、LiDARデータに適用するのと同様に簡単で、すべてのポイントデータが地球のフレームに投影され、地図が作成されます。

 

4 さまざまな角度からマッピングされた橋

(a)

 

 

(b)

 

 

(c)

 

 

図4に示すように、MID-40を1台使用して、橋全体を細部まで細かくマッピングしました。斜張ケーブルはそれぞれ十分に分離されて表示され、橋の道路上の車線もはっきりと見えます。Livox LiDARを使用することにより、空撮マッピングの作成はこれまで以上に効率的になり、コストも抑えることができます。ここに示されている事例では、あくまで一例で、より高度なINSや、より洗練された後処理アルゴリズムSLAM、または、開発者が提供する別のソリューションを使用することにより、マッピング精度をさらに向上させることができます。将来的に、可能性に満ちた弊社のLivox LiDARが、これらの分野に最高の成果を生み出す日も近いことでしょう。