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精密なナビゲーション、Mid-360がWimsha(云象)清掃ロボットのさらなるスマート化を実現

2025/5/19

Mid-360 LiDARは、清掃ロボットの「目」としての役割を果たしています。障害物を正確に認識し、精密な回避や迅速なナビゲーションを実現します。今後、技術の進化とともに、LiDARはさらに多くのテクノロジー製品に活用され、さまざまな作業シーンをカバーし、オートメーション機器の効率性と信頼性を一層高めていくでしょう。

技術革新と労働コストの上昇に伴い、商用サービスロボット市場はかつてない急成長を遂げています。業界の予測によると、2030年までに世界市場規模は15億USDを突破すると見込まれています[1]。ロボットの知能化応用においては、LiDAR(ライダー)が卓越した環境検知能力を発揮し、ロボットの自律ナビゲーションや作業効率を飛躍的に向上させる中核技術となっています。

 
[1] Frost & Sullivan, Market Research on Global Commercial Service Robots (2023), 2024 August 12th

[1] Frost & Sullivan, Market Research on Global Commercial Service Robots (2023), 2024 August 12th

 

課題:従来型センサーの精度の限界

 
 

従来の商用清掃ロボットは、通常2D LiDARを用いてナビゲーションを行っていますが、取得できる点群情報が限られているため、安定性に欠け、正確な位置の特定が困難です。

 

一方、Mid-360 3D LiDARは優位性を発揮します。特徴点が少なく、類似した構造が多い環境(例、スーパーマーケットの連続した商品棚など)においても、Mid-360 3D LiDARは棚自体の点群データだけでなく、棚の上部や天井のデータも取得できるため、より高精度な位置特定が可能となります。

 
商業施設の連続した棚エリアでは、ロボットのナビゲーションが困難

商業施設の連続した棚エリアでは、ロボットのナビゲーションが困難

 

解決策:Mid-360 LiDARなど複数センサーの融合で作業効率と安定性を向上

 
 

Wimsha Robotは、著名な清掃ロボットメーカーとして、高効率かつスマートな清掃ソリューションを開発しています。同社のTシリーズ清掃ロボットは、LiDARや深度カメラなど複数のセンサーを融合し、さまざまな複雑な環境にも対応可能です。その結果、これらの清掃ロボットは商業施設、オフィスビル、ホテル、工場などのシーンで、すでに800件を超えるプロジェクトに導入されています。

 

このロボットは、LiDARなどのセンサーを活用し、「時間情報付きローカル確率マップ」技術を採用することで、環境内の物体や障害物の位置を正確に把握し、物体の出現・移動・滞在時間などの情報も記録します。これにより、ロボットは周囲の環境を正確に認識できるだけでなく、よりインテリジェントな経路計画を実現し、衝突を回避しながら、清掃作業の効率性と安全性を確保します。

 
点群イメージ

点群イメージ

 

Wimsha Robot T1の上部に搭載されたMid-360は、Livoxがモバイルロボット向けに開発した高性能・小型3D LiDARです。360°×59°の超広視野角を持ち、より豊富な環境の特徴情報を取得することができるため、ロボットが複雑な環境を認識するのに役立ちます。コンパクトなサイズで設置が容易なだけでなく、最大40m@10%の測距性能を持ち、毎秒20万点の点群データを出力可能です。

 

Mid-360の垂直視野角59°は、水平面上方52°、下方7°に分かれています。Mid-360が取得するWimsha Robot T1上方の点群データはナビゲーションや位置特定に活用され、T1より下の点群データは障害物回避に利用されます。1台のLiDARで2つの機能を実現し、非常に高いコストパフォーマンスを誇ります。

 
Mid-360リアルタイム環境認識

Mid-360リアルタイム環境認識

 

導入効果:高い適応性・効率性・安全性

 

自動化工場、オフィスビル、商業施設などのシーンにおいて、Mid-360を搭載したWimsha Robot T1清掃ロボットは卓越したパフォーマンスを発揮しています。

 

自動化工場:現在、多数のロボットによる協調作業が自動化工場のトレンドとなっています。Wimsha Robot T1は、Mid-360 3D LiDARを活用することで、稼働中のAMRやAGV、リアルタイムで変化するレイアウトなど、動的な環境を正確に認識し、高精度なナビゲーションを実現します。

 

さらに、カスタマイズされたセンサーフュージョンソリューションとオープンインターフェースにより、Wimsha Robot T1はさまざまなAGVのスケジューリングシステムとシームレスに連携し、タスクの協調スケジューリングを実現します。これにより、清掃効率の向上だけでなく、作業安全の両立が可能となります。

  Wimsha Robot T1工場内走行

Wimsha Robot T1工場内走行

 

オフィスビル:Wimsha Robot T1清掃ロボットは、人通りの多い1階ロビーでも、レイアウトが複雑な社員食堂でも、高い効率で対応できます。これは、同ロボットが搭載するLiDARナビゲーションシステムによるものです。LiDARはアクティブ光源であり、照明条件に左右されません。そのため、夜間にオフィスビルの照明が消えていても、ロボットは自律的に作業し、ワークスペース間を柔軟に移動しながら、安定して清掃業務を完了できます。

  Wimsha Robot T1オフィスビル内走行

Wimsha Robot T1オフィスビル内走行

  Wimsha Robot T1食堂内走行

Wimsha Robot T1食堂内走行

  Wimsha Robot T1夜間オフィス内走行

Wimsha Robot T1夜間オフィス内走行

 

スーパーマーケット:商品棚のあるエリアでは点群特徴が非常に類似しているため、従来の2Dを使った位置特定では高精度なナビゲーションが困難でした。Mid-360 LiDARを活用することで、Wimsha Robot T1は天井の特徴を利用して迅速に自己位置を特定し、商業施設内の棚間を安定してナビゲートすることが可能です。

  Wimsha Robot T1スーパーマーケット内走行

Wimsha Robot T1スーパーマーケット内走行

 

Mid-360 LiDARは、清掃ロボットの「目」としての役割を果たしています。障害物を正確に認識し、精密な回避や迅速なナビゲーションを実現します。今後、技術の進化とともに、LiDARはさらに多くのテクノロジー製品に活用され、さまざまな作業シーンをカバーし、オートメーション機器の効率性と信頼性を一層高めていくでしょう。

Livox

Livox Technology Company Limited (Livox) is an independent company founded through DJI's internal incubation program and dedicated to the development of 3D lidar technology.


Livox was founded in 2016 with the resolve to break through technological barriers in the lidar industry and reduce the threshold for mass production by producing high-quality, reliable, and cost-efficient lidar sensors that can be applied in a wide range of fields, including the automotive industry, smart cities, surveying and mapping, and mobile robots.


Over the past few years, Livox has applied for 587 patents for its unique sensor designs and rotating mirror hybrid solid-state lidar technology. Since the Mid product series was rolled out in January 2019, Livox has served more than 1500 customers, from 26 countries and regions, including the United States, Canada, China, Japan, and the European Union.